2012年10月10日水曜日

むかしのこと。

今日の夕刊に
認知症で会話もままならない老人が
昔の話を聞かれるとよく覚えていて
ちゃんと会話が出来た。と言う記事がでていました。

何となく
それについて覚えがある事は
母が入院していて
もう声も出ず身体も動かないので仕方なく
見舞いにいく度に、母が若い頃の、昔の歌のCDを小さくかけていました。
消灯になってしまったので止めて帰ろうとすると
6つあるベッドの同室の方が
「もう終わりなんですか?」と声をかけてきました。
「ご迷惑かと思って」と言うと。
「とんでもない。みんな楽しみにしているんですよ。私たちは今の歌より昔の歌の方がいいんですよ」と言いました。
「そうですか。じゃあ、もう少しかけておきますね。30分くらいしたら自動的に止まりますから」
そういって再び曲をかけて帰ろうと、ふと母の横のベッドを見ると
いつもは奇声をあげ、身体をねじってばかりいて認知症かなと思っていた女性が
私を見て手を合わせてお礼を言っているようです。
そうかこの人も聞いていたんだなと思うと、不思議なような寂しいような気持になりました。

全員老いた女性の病室
彼女らが若くそれぞれに働いたり恋をしたりした時代の曲。
消灯された病室で
その思いは静かに流れる曲とともに
幻のように浮かんでいたのかもしれません。





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